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晩年のままごと

¥500/新書カバーなし/132ページ 

2016/7/18

尼崎文学だらけ新刊

女のままで女を愛したいけど、あの子に射精したい。

こんな執着をどうか笑って。

 

生方里奈、旧姓・片瀬里奈。結婚してもしなくても、あだ名はカタリナだった。

聖カタリナはキリストと婚約し殉教した女で、この大層なあだ名はこれまた祈りの名を持つ三角霧枝━━キリエから与えられたものだった。

キリエに本当の恋をすることができたら、どんなによかったろう。抱き合ってなお、身体は遠い。

 

その夏、東京都23区には白鳥が襲来した。生まれつき心臓が右側にある内臓逆位の女・カタリナは、先の見えない日々を過ごしていた。

浮気者の夫をやりすごし自分もまた弟と関係する、どうしようもない毎日は30歳にして老後。

「ほんとうの愛とか情熱とかを傾けられるものがあったら、こうはなっていなかった。どうしてこうなった? きっと、心臓が右で、まちがったデザインで生まれてきてしまったからだ」

ある晩、夫の留守中にライブハウスで再会した旧友・キリエと、なんとなく一緒に暮らすことになる。

キリエに向ける感情がほんとうの恋であったらよかったのに、そんな思いを抱いていたら、白いおとこが加わり”晩年”は奇妙な方向へ転がっていく。

白い身体のもの言わぬ同居人、身長180cmの骨格模型━━。

 

 

※同性・異性間の性行為に関する描写を含みます。

直接的・詳細な性表現はありませんので、年齢制限は致しません。

 

 

7/18(月・祝)兵庫県・尼崎市にて開催のイベント、

尼崎文学だらけで頒布します。

こちらのイベントでは、だらけブースという畳二畳の床スペースで参加します。この小説にあわせて、骨格標本を連れて行きます。

どうぞよろしくお願いします。

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